人間の寿命のバロメーターとして注目されている「テロメア」。テロメアは私たちの体の一つ一つの細胞の中に存在している粒子で、年齢を重ねるごとにサイズが縮小していきます。このテロメアが長い人は病気になりにくく、寿命も長いという傾向が明らかになっています。また、これまでの研究では、日常的な運動がテロメアの縮小を防ぐのに役立つことが分かっています。
こうしたなか、2018年11月下旬に注目すべき研究成果が発表されました。欧州心臓病学会誌に掲載されたドイツのザールラント大学のクリスティアン・ヴェルナー博士らの論文によると、運動の中でも、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動が、筋トレに比べてテロメアを長くする効果があるという結果が出たのです。
この実験では、30~60歳の男女124人に「筋トレ」「ウォーキングとジョギング」「高強度インターバル・トレーニング(HIIT)」の3種目のいずれかを割り当て、半年間にわたり週3回続けてもらいました。その後テロメアを測定したところ、「ウォーキングとジョギング」と「高強度インターバル・トレーニング(HIIT)」ではテロメアが長くなりました。高強度インターバル・トレーニング(HIIT)とは、やや激しめの有酸素運動と、軽い運動(または休憩)を交互に行う有酸素エクササイズです。一方、「筋トレ」では効果が確認できませんでした。
こうした結果から、健康寿命をのばすためには、スポーツジムなどでバーベルを持ち上げるような重量トレーニングよりも、ウォーキングやインターバル・トレーニングなどのような有酸素運動が良いということが伺えます。瞬間的に筋力に負荷を与えるようなトレーニングよりも、しっかりと呼吸をし、体内に酸素を取り込みながらじっくりと体を動かすことが、長寿の秘訣の一つだということです。